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ドラッカー学会 糸島大会に参加しました

ドラッカー学会 糸島大会に参加しました

2024年9月14日、福岡・九州大学伊都キャンパスの椎木講堂で開催された「ドラッカー学会 糸島大会」に参加してきました。

会場の椎木講堂は、建築家・内藤廣氏が設計した九大百年を象徴する建物です。この日の登壇者のひとり、内藤廣氏が設計した場所で話を聞くというのも、今回ならではの体験でした。

大会の実行委員長は、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称「もしドラ」)の著者、岩崎夏海さんです。ニンニンドットコムでは2014年から岩崎さんが開催する岩崎夏海クリエイター塾に参加しており、今回は他の塾生たちと共に参加しました。

テーマは、「脱」組織時代のドラッカー「未来」マネジメント

AIの登場、リモートワークの普及、副業人材、フリーランスの増加。社会環境の変化は、マネジメントの前提を大きく変えています。

従来の組織マネジメントとは、目標を定め、役割を分担し、足並みを揃えて成果を出す仕組みです。これまで、それは確かに機能してきました。しかし今、その前提が崩れつつあります。

今大会のテーマである「脱組織」とは、組織を否定するのではなく、個人の知識・経験・感覚を資産として捉え直すということです。

「すでに起こった未来」を見る

ドラッカー学会共同代表の井坂康志氏は、ドラッカーの言葉「すでに起こった未来」を軸に話しました。

ドラッカーは、未来は予測することは不可能であるといいます。未来は予測するものではなく、すでに起きていることの中に見えている。今でいえば、人口問題がそれにあたると。

また、「予期せぬ失敗」を活かす企業文化の重要性も語られました。3Mのポストイットが生まれたのは、ある社員が接着力の弱い接着剤を作ってしまったことと、それを隠さずに報告したことで生まれました。失敗を共有できる文化があったから、イノベーションが生まれたのです。

財務諸表では測れない価値

大和アセットマネジメントの熊原祐次氏は、従来の財務諸表では無形資産を評価できないと指摘しました。

ブランド力、人材、サービス開発力。これらは会計上、計上できません。しかし米国市場では、企業価値の上昇を牽引しているのはまさにこうした無形資産です。ドラッカー研究所が開発した評価指標は、顧客評価・従業員エンゲージメント・イノベーション・社会的責任・財務力の5軸で企業を見ます。

景気は連想ゲームで読む

エミン・ユルマズ氏の話で印象に残ったのは「連想ゲーム」という発想です。

ゴールドラッシュで儲けたのは、金を掘り当てた人ではなく、掘りに行く人につるはしとデニムを売った人だった。スマートフォンの普及から半導体需要を読む。今でいうと、AI、データセンター、電力、冷却、通信です。
こうした連想の連鎖が、景気の流れを先読みする力になります。

個人の感覚が、資産になる

建築家・内藤廣氏の言葉が、この大会全体を貫くひとつの答えのように感じました。

「常に心を開き、オープンなマインドでいること。恒常性バイアスの殻を打破するような亀裂を見つけたとき、そこから未来が開ける」

ひらめきは、必死に考えている正面にはない。ぶらぶら歩いているとき、ふとした日常の瞬間に飛んでくる。

教育分野の白井智子氏も、単一の価値観で評価される社会の限界を指摘し、これまで「未発達」とされてきた個性や感覚を活かす方向へ目を向けることの重要性を語りました。

参加して感じたこと

今回の大会を通じて受け取ったメッセージを一言にするなら、「個人の体験・感覚・個性が、これからの資産になる」ということです。

組織として前提を揃えることで成果を上げてきた時代は、確かにあった。しかしこれからは、予期せぬ失敗も含めて、読めない成功要因の中で、個人の直感や連想力、オープンマインドが価値を持つ時代になっていく。

ドラッカーが言った「すでに起こった未来」は、もうそこにあります。

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