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デザインをする=提案をするには?

デザインをする=提案をするには?

デザインの仕事がしたいなら、「相談されやすい人になる」ということが圧倒的に重要です。誰が相談をしてくれるのかというと、すでに出会っている身の回りの人たちです。
ニンニンドットコムの起業のきっかけになったのは、大学時代の運動部の仲間と、アルバイトをしていたときに隣の席だった社員の人でした。見た目や服装、髪型、名刺、資料など、私たちはデザインに囲まれています。気づかない間に、そういったデザインに関して数えきれないほどの相談をされているのです。
相談をされたときに仕事につなげるためのポイントが、今回のテーマである「提案力」になります。

デザインをする=提案をするには?

提案をするとは、自分の考えを闇雲に伝えるということではありません。
実際に提案をしている人が相談者に何を伝えているのかというと、自身のなかにある情報(引き出し)のなかからお題に対する正解、もしくは正解に近いところを見つけて話をしていきます。
このため、インプットを繰り返すことで自分のなかにある「ものさし」を養うことが大切なのです。
ものさしが大きい人は、周囲の人が持っているものさしでは思い浮かばないようなレベルの高い提案をすることができます。私たちが日頃「センスがある」という言葉で表現しているのは、大きなものさしで考えられたレベルの高い提案のことです。
提案とは自分の中の正解を伝えることで、その正解が相談者が考えたアイデアよりも大きなものさしで考えられたものであるかどうかが問われます。

人が人に依頼をする理由には、次のいくつかのパターンがあります。
・単純に、自分ひとりではできないから
・自分でやると大変だから
・正解がわからないから

デザインを依頼されるのは、相談者が自分だけで正解を出すことができないと感じているからです。自分が思いもしなかったアイデアで制作物を作ってほしい、自分のものさしを広げるには膨大な時間がかかってしまう、という理由から、クリエイティブな依頼がなされます。
このため相手に相談されたときは、自分の中にあるものさしを照らし合わせ、相手が求めている正解を意見することが必要です。
そしてここで提案をするために重要なのは、考えるための引き出しの中に情報を入れておくことです。例えば料理をおいしくしたいなら、おいしいものをたくさん食べて違いや優劣を知っていることで「これとこれを組み合わせたらおいしいかも」と気づくことができます。頭の中でゼロから考えているわけではないのです。
自分の中のものさしを大きくして目盛りを増やすために、実際に考える前に興味関心をもって観察したり調べたりしましょう。

これまでの勉強とは異なる点

覚えることはできるけれど自ら考えることが苦手、という人は多いです。ですがデザインとは、まだ可視化されていないものを形にしていくことなので、正解がわかっているものを覚えればよいというわけではありません。
そこで、デザイン=提案をするために必要なことについての疑問に答えていきます。

デザインの提案をする際の引き出しとして、どんな情報をインプットすればよいか

電車の中吊り広告やテレビCM、コンビニに並んでいる商品など、日々の生活で目に入るすべてのものがインプット対象です。一歩街へ出れば、書籍の表紙や看板、飲食店のメニュー、箸袋、コースターなどデザインで溢れています。興味関心をもつことで、自然と情報が入ってくるようになるでしょう。

インプットした情報を、適切にアウトプットするにはどうすればよいか

インプットしたものが多ければ、アウトプットする際のポイントに気づくことができます。お茶のペットボトルデザインを頼まれたとき、インプットが多ければほとんどのお茶のパッケージが緑色であることを思い出すでしょう。さらに、赤がメインの缶コーヒーや、水色ではなく緑が使われたペットボトルの水が売れていることにも気づくことができます。
これによって、「お茶のパッケージも緑ではなく別の色にするのはどうか?」というアイデアにつながるのです。

相手にわかりやすい提案の方法とは?

一言で伝えられることが、相手のものさしを超えているということです。
「普通、緑茶って緑でしょ? でも同じように水だったら本来水色があたりまえなのに、いろはすは緑でしょ? 売れてるじゃん!
缶コーヒーもだいたい茶色か黒のイメージでしょ? でも朝専用って赤でしょ?」
「緑茶パッケージも、緑をやめたら?」

大切なのは、興味をもって大量のインプットをすることです。自分の中のものさしにより多くの目盛りを用意しておけば、相手が望んだときにドンピシャの部分を提示することができます。
このため優れたデザイナー同士は、よく過去の例を出して会話をしています。
「レトロな雰囲気なんだけどおしゃれにしたいんだよ」
「昭和の和菓子屋じゃダメってこと?」
「そう、ムーラン・ルージュの踊り子のポスターあるじゃん? あんな感じ」
「なるほど、そういうことね」
相談されやすい人になると同時に、提案できる人になることが重要。そのときに必要なのは考える力ではなく、どれだけ引き出しの量を増やしてきたかなのです。

価値を加える目的でデザインを提案するには?

異なる意見だったとしても、対話とフィードバックが集まれば集まるほどクリエイティブな仕事は進みます。相談しやすい人であることと、相談したときにしっかり答えが返ってくる人であることが重要です。
意見に正解も不正解もありません。デザインの依頼で指示されるのは目的のみです。
別の角度で相談され、さらに望まれて提案がブラッシュアップされるのは、有意義な議論であるといえます。目的をしっかりと捉え、期待を超える提案とフィードバックを繰り返していけばよいのです。

そしてデザインの仕事では、クリエイターが目的を達成するための条件を設定し、それをデザイナーが形にしていくことが多いです。具体的なデザインはすべてデザイナーの担当で、目的や達成条件とは無関係な手段を入れてはいけませんが、手段を指示されていると勘違いして引っ張られすぎるのもよくありません。
つまり、デザイナーが担当している領域は実は曖昧なのです。前後を少し広げることで、より仕事を広げることができます。指示を待つのではなく、少しずつ上流からアイデアを出せるようシフトしていくことが、仕事の幅を広げるきっかけとなるのです。

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