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日本の若者がシリコンバレーで見たものは?(その5)

日本の若者がシリコンバレーで見たものは?(その5)


前回より続く

05 顔が見えるのではなく、耳元で声がするアプリ

一 同時接続とは、どういうものですか?
電話も同時接続のような気がするけど、何が違うの?

電話は同時接続ではないんです。
同時接続って説明するのが難しいんですけど、例えば、電話って、自分が部屋で何かしている時に、急にドアがドンドンってノックされて会話が始まるイメージ。
一方、TTYLは、真ん中に部屋があって、そこに好きなタイミングでメンバーが入ることができて、部屋に誰かがいれば、メンバー同士で会話がはじまるイメージですね。これが同時接続です。

一 一方的にどちらかの都合で相手の接続が強制されて会話が始まるのではなくて、双方が接続状態になってるという前提で会話が始まるってことですね。

そうです。
ただ、TTYLのような同時接続は、複数メンバーで行えば誰かとタイミングが合い安いんですが、カップルのように1対1だとタイミングがなかなか合わない。
どちらかが部屋にいても、片方は来なかったりする。

一 話すために部屋いるのに、待ちぼうけになってしまいますね。

そうなんです。待っているのに、話したい相手は全然来ないという状況になる。
だから、Hereでは1対1の同時接続でもストレスなく会話ができるようにどうすれば良いかなと考えました。
そこで目をつけたのがBluetooth付きのイヤホン。着けた瞬間に自動でつながる仕組みです。
イヤホンをつけていれば部屋に入っている状態で、本当に部屋にいるように、お互いが話したい時に話せます。

一 なるほど。でも、どうしてそれで時差の問題は超えられるの?

時差は超えられません。
ただ、電話と違うのは、通話を始める前に相手がどんな状態かわかるということです。
電話の場合、相手がどんな状態か分からないから、かけられない。これが結構ネックなんです。たまたま忙しいタイミングで、相手の反応が悪かったりすると、関係までもが不安になります。
時差があるなかでも、自然に「私は今、話せる状態です」ということが相手に分かるということがすごく大事なんです。
Hereの場合、話せる状態の時はイヤホンを着ければ良いんです。

一 イヤホンって音声だけですが、それはデメリットにはならないんですか?

なぜ動画じゃなく音声なのかという議論もありますが、音声だからこそのメリットがあると思っています。
ビデオ通話だと、デバイスに相手の顔が小さく表示されますよね。
それってなんだかバーチャル感が強くて、逆に距離を感じちゃうんですよ。
Hereの場合、ふとした時に「やっほー」って話しかけられるんです。
音声だけなので、日常生活に溶け込みやすい。
例えば、話したい時に部屋に行ったら相手がすやすや寝ていたとします。
音声だけの場合、一緒にソファーに座って、相手が横で寝ていてその隣で作業をしている感覚になるんです。
音声ってすごいんですよ。

一 画面で顔が見えていても、それは遠くにいるって感覚で、耳元で繋がっていると隣にいる感覚になるということですね。

そうです。僕たちが目指しているのは、大切な人とよりつながりを感じられるツール。
それはテキストや動画じゃなくて、音声に特化したコミュニケーションツールをつくりたいと思っています。

一 今回のこのサービスも日経新聞に掲載されてましたね。
しかも、インターン時代も、新聞に載りましたよね?
大晦日の新聞1面。「相変わらず、もってるなぁ」と思いました。

理由はわかりません。なぜか取材がきました(笑)。
以前は、おそらく、クラウドファンディングで資金を調達して海外で起業していたから、新聞社の目に止まったのかもしれません。
シニア世代に向けて、「日本の若い世代が日本を見限り、海外に出て行っている。危機感を持ちましょう」という内容だったと思います。
日本の若者が、沈みゆく船(日本)を降りて海外で起業しているという感じです。
今回も、シリコンバレーで起業してアプリ開発をしている時に、新聞社から取材をしていただきました。

一 若くして世界に出てみて、日本の同世代や若い世代に向けて思うことはありますか?

自分が置かれている現実に固執せず、外の世界に飛び込むことが大切だと思います。
僕の場合、高校に進学したけど、居場所がなかったんです。
「日本は合わないかも」と考えていた時、シンガポールでの起業家との出会いがあり、高校を卒業せずに世界を周りました。そうして今があります。
特に、若い人は、まずは日本から世界へ出てみるといいと思います。
なぜなら、日本以外の場所だからこそ生まれる「ポジショニング」があるからです。
最初に起業したマレーシアでは、当時は日本人の起業家はほとんどいませんでした。
だからこそ、僕を面白がってくれたり、サポートしてくれたりする人が出てきたと思います。
今、僕がサンフランシスコで事業を起こしたのも、世界で使われるためのプロダクトをつくるために世界最高の場所、ということもありますが、成功した日本人の起業家がまだまだ少ないということが大きいです。

一 海外ならではの、日本では経験できないエピソードはありますか?

シリコンバレーについていうと、とりあえず、あの街はめちゃくちゃ変わってます(笑)。
カフェに行けば、周りの人はみんなスタートアップの話をしている。スタートアップ界隈の人しかいないんです。
東京の場合、おいしいご飯屋さんや遊び場があるじゃないですか。
シリコンバレーにはそうしたものが一切なくて、スタートアップをやるための街というか。そういう人が集まっているんです。
だから、妊娠している女性がイベントにいるかと思えば「Uberの初期にマーケティングを担当していました」とか。
エアビー(Airbnb)のファウンダー(創業者)がイベントに普通に来ていたり。
そうした人との出会いや、ここにあるナレッジは、どこに行っても得られない、シリコンバレーならではの特徴だと思います。
だからこそ、日本にこだわらず、まずは目的を達成できる環境を求めて飛び出してみるのがおすすめです。

一 永田くんは、10代からずっと「世界で使われるサービス、世界にインパクトを与える事業をつくる」って言い続けて、行動している姿勢は常に一貫している。
これはすごいことです。
様々なことがあっという間に変化していくこの時代において、これからどんな人になるのか楽しみです。
もしかしたら、このインタビューが、世界を代表する日本起業家の最初のインタビューになるかもしれない、そんなことを思いました。

終わり

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