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体育大学生、インターンからクリエイターを目指す(その2)

体育大学生、インターンからクリエイターを目指す(その2)

前回より続く

02 何がきっかけかわからないから出し惜しみしない

一 ずっと「無理だよ」と言われて、お客様の社長にもダメ出しされたのに、なぜ、入社できたのですか?

きっかけは、TikTokです。

TikTokが流行りだしていた頃で、試しに軽いノリでつくった動画を見せたら、入社の可能性を話してくれました。
当初、私は、マーケティングや企画のような仕事をしたいと主張していました。
でも、新卒学生にマーケティングや企画を任せる会社はありません。
それで、入社しても仕事がない私に対して動画なら新卒でもチャンスがあるとのことでした。
動画ビジネスの歴史は浅く、企業のYoutube活用も少ない。
経験があるという人達でも長くて2、3年程度の実績。
今から頑張れば、素人でも追いつけるし、ニンニンドットコムには、動画編集ができる人がいないから、可能性があると言われました。

一 空席理論ですね。

それまでの私は、入社している社員と同じようなスキルを身に付けなければ、この会社に入れないと思っていました。でも、そのスキルを持っている社員がすでにいるなら、必要ありません。だから空いてる席を狙ったほうがいい。
それで私は、動画を頑張ろうと思いました。

一 他に、入社のために頑張ったことはありますか?

鈴木社長からは、それまで考えていたことの逆を言われることは多かったです。
「なぜ、やりたいことをいきなり仕事にしようとするの?」
「誰もやっていない仕事で、隙間に入り込んで気に入ってもらえれば、いくらでもチャンスは回ってくるのに」
と言われて、雑用のために会社に行ったり、オフィスの掃除があると言われれば試合前でも参加していました。会社の食事の予約も率先してやりました。
他にも、
「EcxelとかWordよりも、まずタイピング速度を上げたほうがいい。」
「PCの操作が2倍の速度になったら、その後、やれることも2倍になる。」
というのは、なるほどと思いました。

一 タイピングは出来ていましたか?

当時の私はキーボードを人差し指だけで打つレベルで、動画編集以前の問題でした。まずは3ヶ月間、来る日も来る日もタイピングの特訓をしました。
私と同様にタイピングの特訓を課せられていた社員やインターンは、その練習をおろそかにしていました。後に2人とも1年もたたず退職することになったので、周囲のアドバイスを素直に受け入れられない人は、いずれどこかで辞めることになることも知りました。
タイピング速度が上がれば空き時間が生まれ、他の作業に充てられる時間を増やせます。また頭と指が連動するため、思考を可視化したり、整理がしやすくなります。タイピング作業にストレスがなければ他の業務に集中できるようになるので、その後の成長が早くなることもわかりました。

一 動画の制作はいつからやりはじめたのですか?

本格的に動画制作を任されるようになったのは、大学4年生の12月頃。社長がCMOという肩書になっていたアプリの会社で、Youtube番組を始めることになり、私が編集することになりました。
私は、この動画の仕事が、社員になるためのラストチャンスのように思いました。
経験がなくてもやるしかありません。仕事を引き受けた後、大急ぎでAdobeをダウンロードして、編集方法を検索して調べました。

一 結果はどうでした?

元々、その番組は、動画制作をメインでやっている会社に何十万とかで頼んでいたらしいのですが、それが思ったより面白くなかったみたいで、一度、試しにニンニンドットコムで安くやってみるかってなったらしいのです。
そして、私が編集したものは面白かったようです。
このYoutube番組は、お客様のチャンネルでしたが、その後、私も出演するようになり、その会社とは忘れられない関係になりました。
チャンスは些細なことからはじまるということ、些細なことでも本気で取り組むことが、チャンスを結果に変えるんだと実感しました。

一 面白い動画が出来たってことですね。動画以外の仕事ではどんな仕事を担当しましたか?

大学の課題で書いた作文が、雑誌の企画担当の仕事につながりました。

一 どんな作文ですか?

「10年後、どんな先生になっているかを考える」です。

一 先生を目指すことをやめているのに、この内容で作文を書かなきゃいけないんですね。いい作文が書けたんですか?

先生からは酷評されました。

続く

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