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体育大学生、インターンからクリエイターを目指す(その3)
03 やりたい仕事は、なんでもやることでたどり着く
一 先生から酷評された作文が仕事につながったのはなぜですか?
大学で「未来の自分史(10年後、私はどんな先生になっているか?)」
っていう作文の課題があったんです。
500人くらいいる生徒のなかで先生になるのは10人くらいです。それを先生も知っているのに、みんなが「10年後、私はこんな先生になる」って書く作文です。
私は、そんな先生のご機嫌とりのような作文を書いても意味がないと思ったので、
・正直、10年後の自分史なんて書いても意味がない。
・なぜなら昨日たてた今日の予定すら変わっているんだから、10年後はわからない。
さらには、
・旦那の収入をあてにしないで生きていけるような女社長になる
・そして結婚した10年後には離婚するかも
とまで書いたんです。(笑)
一 そんな作文を書いて大丈夫だったんですか(笑)?
先生には、ものすごく怒られました。「あなたみたいな人には単位を上げたくない」とまで言われました。
ところが、この激怒された作文を、ニンニン社長に見せたら「すごく面白い!」と言われました。さらには、取引先の何社かの社長にその作文を送ったとまで言われました。
この作文がきっかけで、取材の仕事に同席したり、記事を書く仕事を担当したり、「JJ」という有名雑誌で、取引先の社長が登場するページの企画を任されたりもしました
一 先生には酷評されたのに、チャンスをつかむきっかけになったんですね。
仕事というのは、こういう些細なきっかけから生まれるし、特にクリエイティブな仕事は、成果が事前に見えづらいので「面白いこと」や「雑談」からの流れで、お試しのように仕事がスタートすることを知りました。ちょっとした発信や提案を、出し惜しみしないことがチャンスにつながるのだと思いました。
一 そこから仕事は順調に進んだのですか?
いえ、厳しいことが多かったです。頑張ってつくったものも平気で否定されました。
動画の仕事では、現場で撮影された素材をYoutube用に編集するのが私の担当でしたが「これ、どこがおもしろいの?」って言われては、何度もやり直しました。
泣きながら編集したこともあります。(笑)
自分が撮影したものじゃない素材をつないで面白くすることは、とても難しかったです。たった5分の番組を何日もかけてやることもありました。
一 納得できないとは思わなかったのですか?
それまで、仕事というのは言われたことを正しくやったり、指示どおりに作業をするものだと思っていましたが、目的が「面白いものをつくる」という場合は、どんなに素材が原因だとしても、評価は「面白いかどうか?」だけでしか判断されません。
自分自身が面白い!と思わない状態で提出しても、必ず、ダメ出しされてやり直しになりました。
一 面白くすることが仕事というのはとても難しいですね。特別に何か学んだりしましたか?
自分のためだから、自腹で参加したほうがいいと言われて参加したのが岩崎夏海クリエイター塾です。
「仕事のための勉強なんだから、会社が出してくれるんじゃないの?」って思いましたが、自分で年間6万円を払いました。
鈴木社長からは、自己投資できない人は成長しない、本も勉強会も自分のなかに蓄積されるんだから、自腹で払ったほうがいいと言われました。
岩崎夏海さんは、「もしドラ」というベストセラーの著者で、AKB48をプロデュースした秋元康さんのところにいたらしいです。岩崎夏海クリエイター塾では、参加者が10人くらいで、毎月1回、宿題で出された映画をみて、その映画について各自がプレゼンします。
一 その塾は効果があったんですか?
直接的な編集方法を学んだわけではありませんが、この塾と出会ったことは作品をつくるうえで、とても勉強になったと思います。
仕事でつまづいたり、思いどおりの評価が得られないのは、その時は辛いですが、もしも「自分で撮影したものじゃないから面白くないのは私のせいじゃない」と、何も学ぼうとせず、その場で立ち止まっていたらきっと担当を変えられていたと思います。
一 動画の担当は長く続いたんですか?
はい、動画担当として長く関わりましたが、そのお客様の会社で、社長直属のマーケティングチームにも加入することになりました。
私は、株式会社pring(プリン)というキャッシュレスアプリの会社のYoutube番組を担当していましたが、その会社の社長から「片桐さんをpringのインターンとして業務を手伝ってもらいたい」と、ニンニン社長に打診がありました。大学4年の年明けの1月くらいです。
pringというアプリを広めるための企画やSNS運用を行うマーケティングチームへの加入でした。
一 片桐さんに声がかかった理由は何だったのですか?
何でもやるからだそうす。
続く