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SDGs経営で企業価値をデザインする
SDGsとは、世界を持続可能でより良くするために、2015年国連サミットで採択された17の目標のことです。国や自治体が取り組み、多くのメディアが取り上げ、学生達も学んでいるSDGsを、企業も取り組んだ方がよいことはわかっていても、経営者にとって、いまひとつピンとこないというのが本音です。
そこで、SDGsに取り組むことのメリットとポイントについて説明します。
そもそも、なぜ、SDGsはピンとこないのか?
SDGsは、世界を持続可能にするために2030年までに達成するべき目標です。
つまりは、この目標を達成しないと、世界は持続しないということですが、中小企業の経営者にとっては「話が大きすぎる」とか、「自分たちのような小さな会社が取り組んでも世界が変わるはずがない」とか、「貧困国や、環境破壊に影響あるアマゾンとか、遠い国の話でしょ?」という印象のようです。
結果として、SDGsは、大企業がやること、もしくは、自社のイメージアップを狙ってやることで、日々の利益を上げることに精一杯の中小企業にとっては、そんな余裕なんてない。というのが本音のようです。
未来のニーズの先取りはビジネスの基本
しかし、SDGsというのは、自社の利益と直結しない慈善事業ではありません。
2030年に向けた世界共通の課題であり目標です。
つまり、この目標に向けて世界が、国や自治体が、社会全体が取り組むということは、
2030年に向けて、世の中はこう動くという、確度の高い未来予測でもあるのです。
ある企業の経営者は、アメリカのスーパーで食品パッケージが、茶色になっていることをみて、脱プラスチックという流れが日本にも来るとよみ、プラスチックに変わる新素材を開発し、新たな顧客を開拓しました。
ある企業は、環境に配慮する時代が来るということを予測し、自社の商品を環境に配慮した材料に替え、その証明書とともにサービス提案をし、売上を伸ばしました。
未来に向けた社会課題を解決する商品やサービスをつくるということは、
ビジネスの基本にある、時代を先取りした商品を、他社より先んじて提案することになるのです。
社会課題という、みんなの課題を解決する
SDGsというのは、世界が取り組む課題です。つまりは、みんなの課題です。
特に、次世代を担う若者にとっては、未来の話は「自分ごと」です。
みんなの課題に取り組もうと、ひと言号令をかければ、賛同者や協力者が集まりやすいものです。周囲と協力し、仲間が集まれば、自社のサービスに付加価値をつけることができます。
体のあらゆる数値を計測する会社であったタニタは、すべての人の健康をつくる会社として、新たに「食」に注目し、食品メーカーや、栄養士とのパートナーシップによって、タニタ食堂という新ブランドを創りました。つまり、健康を測るだけでなく、食べる部分にまで伸ばし「健康をつくる会社」として付加価値を加えたのです。
現在も、あらゆる企業や団体と、健康増進に関する取り組みを行い、健康をつくる会社ととして事業成長を続けています。
>https://www.tanita.co.jp/press/detail/2020/0928/
SDGsというみんなの課題に取り組むことは、多くの人、企業、団体をまきこむことができ、そのパートナーシップで新たな企業価値を生み出すことができます。
取り組みを実行するために必要な強い動機
SDGsには、17の目標の下に169のターゲットと呼ばれる行動目標があります。
これらを見ていると、自身の生い立ちや過去の体験からくる、共感できる課題や解決したい問題が見えてきます。
自分たちが心から解決したい、達成したいという目標を掲げることは、単なる利益追求とは違った事業をやりきる強い動機となります。
例えば、過去の自身の貧困体験や、母子家庭で育ったことによる母親の苦労を解決するべく、社会的に不利な立場の人でもマイホームを買いやすくするサービスをはじめた会社もあります。
SDGsという社会課題の解決を事業として行うことは、単なる利益追求とは違う、強い動機をもって事業に取り組むことです。この強い動機こそが事業をやりきる力になります。
ビジネスを成功させる「まきこむ力」と「やりきる力」
ビジネスを進めるうえで成功の鍵となるのは、「まきこむ力」と「やりきる力」です。
斬新なアイデアや、秀逸なビジネスモデルも大事ですが、結局のところ、経営者や事業担当者の「やりきる力」と、社員や協力会社、その事業を後押しする自治体や国などを多くの関係者を「まきこむ力」が、ビジネスでは勝敗を決めます。
SDGsという社会課題の解決をビジネスにすることは、多くの人をまきこみ、ファンや協力者をつくるのです。
SDGsは企業に新たな価値をもたらす
SDGsとは、自社の事業を
社会課題を解決し、
それをやりきりたいという強い動機を
もってビジネスをし、
そんな想いを共有できるもの同士が
ビジネスをすることで、
そこに新しい経済圏をつくる。
これまで、社会問題を解決し、そのビジネスをやり切りたいという強い動機を持つことが
大切だという説明をしてきました。
そんな想いを共有できる人同士が集まりビジネスを行えば、そこに経済圏ができます。
そしてその経済圏に魅力を感じ、入りたいと思う人が多くなればなるほど
社会が抱える課題を解決する取り組みの輪ができるのです。